エロは難しい

「こいちゃん、本当に良いんだね」
俺は内心の動揺を抑えつつ、努めて冷静に聞いた。
「うん、かいと君にだったら、いいよ」
こいちゃんが上目遣いに答える。その瞳は、何かを期待するかのように潤んでいた。
俺はそっと、こいちゃんの髪を撫でる。指の間を流れていく髪が心地良い。
「いっぱいいっぱい、気持ちよくなろうね」
健気な彼女の言葉、それだけで充分だった。
俺はその小さな体を抱きしめると、優しく唇を重ねた。
こいちゃんがおずおずと俺の背に腕を回してくる。
こいちゃんの柔らかな感触を充分に味わった後、彼女の口内へと舌を侵入させた。
歯茎に優しくタッチし、その滑らかさを味わう。
僅かに触れた唾液が、こいちゃんの味を教えてくれる。
そして、頃合いを見計らって、こいちゃんのかわいらしい舌を優しく吸い上げる。
「あぁ、・・・・・・ふぅ」
鼻から抜けるような、甘い声。
こいちゃんの方も、俺に倣うようにたどたどしくも舌を絡めてくる。
それだけで、胸がいっぱいになった。
こいちゃんが愛おしくて愛おしくて堪らない。
少しでも気を抜けば、勢いのまま彼女を貪ってしまいそうになる。
そんな逸る気持ちを無理矢理抑え込み、優しく優しく触れ合っていく。
「かいと、くぅん」
耳を犯す、甘い囁き。
衝動的に、こいちゃんの蒸れて熟した唾液をありったけ吸い上げてしまう。
それに驚き、藻掻く彼女をよそに、今度は俺の唾液を口内へと流し込む。
わざとこいちゃんの顔が上を向くように仕向け、総てを余すところなく飲み込ませる。
コクンコクンと喉が動く度、こいちゃんの体が感電したかのように痙攣した。
そこで一旦、顔を離す。
目の前には、トロンとした瞳を宙に彷徨わせる、こいちゃん。
堪らず伸ばし掛けた手を、俺はどうにか押し止めた。
「私の事は、良いんだよ」
未だ夢を見ているような表情のまま、こいちゃんは俺の手を取り、自らの胸へと導いた。
柔らかな感触と、弾けんばかりの鼓動の音。
「かいと君がしたいように、して良いんだよ」
これ以上は無理だと思った。
思うと同時に、体が動いていた。
貪るように、こいちゃんの胸の感触を楽しむ。
それでもどうにか、力を入れすぎないように注意することだけはできた。
服の上からの感触では飽きたらず、瞬く間にブラウスをはだけさせる。
ピンクの可愛らしいブラが視界いっぱいに拡がった。
「やっぱり、ちょっと、はずかしい、ね」
駄目だ。どうしてこう、こいちゃんの声は俺を煽っていくのだろう。
乱暴にブラを上へとずらすと、そのまま小さく膨らむ先端へとむしゃぶりついた。
「くぅぅ、っん」
こいちゃんが子犬のように小さく啼く。
こいちゃんがもっと乱れる様を見てみたい。奥底から沸き上がってくる衝動に急かされるように、俺は丹念に舌を蠢かせた。
焦らすように縁をなぞり、形を覚えるかのように丹念に舐り、頬張るように甘噛みする。
その度に、こいちゃんが切なそうな声を上げる。
でも、まだ足りない。
空いている方の乳房へも手を這わせ、執拗に捏ね上げる。
「かいと、くぅ、っんん」
弾む声と、甘い吐息。
俺の中の情動が、否応なく高められていった。
口に含んでいた胸から離れ、舌をゆっくりと下へ下へと下ろしていく。
それと同時に、邪魔なスカートをずり下ろす。
丹念に丹念に、味わうように舌を這わせ、臍へと辿り着いた。
奇妙な感触だったのか、こいちゃんの腰が僅かに浮く。
「やぁ、くすぐったい」
上目遣いに確認すると、別段嫌がっている風でもなかったので、そのまま舌を彷徨わせる。
そして、再び腰が浮き上がったのを見計らって、ゆっくりとショーツを脱がせていった。
ショーツが脱がされていく感触に、こいちゃんの体が僅かに強張る。
「嫌?」
「ちょっと、はずかし、くて」
瞳を潤ましたままはにかむ表情に我慢できず、おもむろに唇を重ねる。
深く深く、互いに飽きるまで舌を絡め合った。
そうしながら、右手をそっと下ろしていき、茂みの先へと分け入っていく。
その感触に、僅かにこいちゃんが身を捩った。
優しく優しく、潤んだ割れ目をなぞり上げていく。
幾度も幾度も、丁寧に。
その間、こいちゃんは何かに耐えるかのように俺の舌をしゃぶり続けた。
次第に潤いを増し、開いていく秘所に、俺はゆっくりと中指を沈めていく。
「ふくぅ、うぅん」
こいちゃんから、甘い吐息が漏れる。
愛液を絡ませ、馴染ませるように指をゆっくりと動かす。
中の襞を一枚一枚確認するかのように、丁寧に。
と同時に、顔を出し始めていた淫核を露出させ、適度に刺激を与えていく。
「・・・・・・っあぁ、うぅん」
堪らず、こいちゃんが声を上げる。
それに呼応するかのように、愛液の量が増えていった。
更に、指の早さを上げていく。
「ひゃぁう」
偶然ある一点を点いたとき、こいちゃんから悲鳴近い声があがった。
「い、まの、なに?」
こいちゃん自身、自分の声に驚いている。
大体の当たりを付けて、俺はそこを重点的に狙っていく。
目に見えて、こいちゃんの反応が良くなった。
「ふぅぅっん、そ、それぇ、だ、めぇ、かいと、くぅ、っん」
いつの間にか、一心不乱に俺はそこを責め続けていた。
もっと乱れさせたい。
ただその一心で、俺はこいちゃんを責め続ける。
こいちゃんの身体が次第に痙攣し始め、それが頂点に達した時、勢い良く潮を吹いた。
「や、ぁぁ、なに、これぇ」
激しい波が去った後、朦朧としながら発せられた声。
もうそれだけで充分だった。
普段のこいちゃんとの、そのギャップが俺の中でグチャグチャになっていた。
俺はこいちゃん足の間に割ってはいると、自分のものを濡れそぼった秘所にあてがった。
それに気付いたこいちゃんが、僅かに顔を上げる。
「ま、って、かいと君。今は、」
こいちゃんが言葉らしい言葉を発したのはそこまでだった。それ以降は、悲鳴に近い喘ぎに掻き消されていく。
入れた途端、中が吸い付き、俺のものを扱き上げる。
あまりの気持ち良さに、理性は完全に吹き飛んでいた。
「ひゃぁう、だ、っめ、いぅ、まって、よぉ」
肉のぶつかる音と卑猥な水音と、そしてこいちゃんの声が俺を急き立てる。
もう止まらなかった。
ただただ、精を吐き出すことしか考えられない。
がむしゃらに腰を振り、奥へと叩き付ける。
「おくっ、がぁ、しびぃれ、ちゃう、よぉ」
そして、それは突然やって来た。
「あぁぁう、で、てる。あつい、おくが、あつい、のぉ」
自分では気付かなかった。
こいちゃんの声が、俺自身に行為を教えてきた。
そしてやっと、射精したことに気が付いた。
だめだ、まだ足りない。
出した勢いそのままに、俺は再び腰を打ち付け始めた。
「だめぇ、かいと、ぅん、ちょっと、まっ、て」
息も絶え絶えにこいちゃんが訴えてくる。
だが、それをもが俺の快感を高めていく役にしかたたない。
「すごいの、っきちゃ、・・・・・・やだよ、もうっ」
こいちゃんの泣き声のような叫びと共に、中が激しく収縮する。
それに堪らず、俺はありったけの精を吐き出した。